帰って来て夕飯を済ますと、そそくさと妻が動き出し、明日の為だとチーズケーキを焼いてくれる。来年一年なにかあっても思い出してもらえるように頑張っているところを見せるのだと張り切っている。
私は隣で体調が悪くなりかけている次男の為にホットチョコを作る。
チョコを砕き、湯せんし、ココアの粉も少し混ぜて牛乳で飲める濃さにしていく。丁寧にゆっくり。最後にチリパウダーを少しだけ混ぜるのがうちのホットチョコである。昔見た映画の受け売りで、効能はちょっと違うのだが、元気になるので誰かが風邪をひくと作る事にしている。
因みにアイスチョコドリンクは夏に気が向いたら作るのだが、アイスの時はチリパウダーではなくミントを漬ける。
特に手が込んだものではないが、そのちょっとの積み重ねが時間をゴンゴン奪っていく。それが家事と言うものだと私は理解している。
話し戻ってホットチョコの話しだが、こういう特別なものがあると風邪をひいて体調が悪かったはずなのに、なんとなく悪い思い出でもなくなる、と言うのがいい。私の場合、小さい時風邪をひくと、母がリンゴをおろしてくれたのと、無色透明のガラスでできた魔法のランプみたいな吸い飲みが登場して、枕元に置いてあったのを覚えている。
おろしリンゴも吸い飲みで飲むお茶も別に好きではないのだが、なんとなく特別感があって嬉しかった。
妻は頑張り屋のくせに体が強い方ではないので、たまに体調を崩す。そんな時妻は大体食欲がなくなるので、私はおかゆの代わりに参鶏湯を作り、そこにご飯を入れておかゆ風にして出すことにしている。ニンニクとショウガを擦り、ごま油で炒める。そこに白ネギとささみをほぐしたものを投入しまた炒める。水を足し鶏がらスープの素と塩で味を調えスープにする。妻はこれが好きで、体調が悪い時でも喜んで食べてくれる。
たまには風邪を引くのも悪くない、そう思ってくれたらいい。
しかし、コンソメと鶏がらスープの素、ほんだしって、本当に素晴らしい調味料だと思う。コンソメ入れたら大概のものは西洋風になるし、鶏がらスープの素を入れたらなんでって中華風になる。ほんだし入れたら和風に早変わり。
でも忘れてはいけない。小さな事、大したことない事を積み重ねているうちに気付けば
一日が終わっている。それが家事なのだ。
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