昨年末、妻がリビングに大き目のラグを買うと言い出し、ラグを選んだのだが、そこからが大騒動の始まり。ラグの為にリビングを模様替えし、模様替えしているうちに長男も高校生になるし1人部屋が必要だね、二段ベッドも上下で分けてさ、そうなったらこのリビングに続いている和室を区切って作るしかないねとか話していたら、次男がインフルエンザに罹って帰って来たもので、急遽隔離する為に次男を子供部屋に、長男を和室に移動した。そんなことをしているうちにお母さんが実は二段ベッドを、上段を物置として使うために欲しがっていた事が発覚、それもなかなか強い度合いで欲しがっていたらしく、そう聞いてしまうともう、それならいっそこのまま、という事で、急遽私たちが横に繋げて使っていたシングルベッドを一つ譲って長男の部屋を作り、もう一つを次男に。私たちは新しくダブルベッドを買った。
結婚16年経って初のダブルベッドである。そもそもなんで最初シングルベッド二つにしたのだろうと思う。二人で寝るのにシングル二つ分の広さは必要ない。
そんなこんなで妻は勢い付いてしまって、お気に入りのダブルベッドにし、私たちの6畳の寝室はベッドのサイズが小さくなったはずなのにむしろベッドを主役にしたやたらムーディーな部屋となった。
のはいいのだが、早々に、妻はコロナの為、仕事部屋に布団を敷いて寝ている。本人は起きてすぐ仕事が出来る為、何気にそんな不便はなさそうである。
残った私は一人、ムーディーな部屋でポツンとこれを書いている。
タイトルに世帯年収を上げる方法なんて入れたが、世帯年収を上げる方法は、世帯内で労働人数を増やす、今の仕事でせっせと稼ぐ、今の仕事にプラスで副収入を稼ぐ、転職して稼ぎを上げる、位しか思いつかない。それぞれ好きな人にしてみれば魅力的なコンテンツなんだろうが、元々稼ぎがない私は興味が薄いので、ペラペラな事しか語れない。ただ、最後に挙げた転職に関しては伝えてもいいと思える位の経験があるので書くことにする。
改めて書いておくと、私は医療系のセールスマンで会社はアメリカが本社だが、別に外資に勤めたかったわけではなく、自分の求めるようにしていたら、条件が合うのが外資だったという話。転職は3回している。転職する度に年収は確実に上がるか、条件がより自分に合うものに変わっているので成功だったと思う。その意味では別に今の会社にずっといても構わないと思うが、また転職するかもしれないとも思う。
外資系の会社で一番合うのは、転職に関してマイナスイメージがない事。お互いがお互いの条件を出し合い、合意できるなら契約、合意できないなら契約しない。
誰が悪い、会社が悪い、ではなく、一緒に仕事をすることでお互いハッピーになれるのであればそうしましょう。そうでないなら一緒にいない方がお互いハッピーでしょう。言葉遊びに見えるが、本気でそういうスタンスであると私は思う。辞めるにしても会社が悪いから辞める、ではなくもっと合う仕事先があるから辞める、だけである。
妻は、全く違う方法で稼ぎを上げている。私は結婚当初仕事の都合上全国転勤であり、子供も生まれたばかりで妻は定職に就くことが出来なかった。最初の会社は内資の小売り業で稼ぎも少なく、妻曰く平均世帯年収にも届いていなかったという事だ。
そんな中、妻は家で子供の面倒を見ながら出来る仕事として、作った物をネットで売る事にして、勉強し始めた。私が銀座店の店長をしていた時期には有名なお店などにも勉強の為アルバイトで行っていた。そうやって、ネットショップを開き、どんどんブランディングに力を入れていき、10年以上経って、最初普通にアルバイトしていた方が効率よかった位のものが、家で御母さんを雇って立派に自営業者である。元々、お義母さんが苦労してきたのを見ている為、なんとか援助したいと思っていたがお金を渡すのは違うと思い、働き口を作る事で親孝行をしようと考えていたというのだから、あっぱれである。
そういう意味では、世帯内で労働人数も増えている。我が家は、妻の仕事の成功と、私の転職によって世帯年収を上げてきた、と言える。
何度も書いているかもしれないが、私は必要だから、稼いでいる。足りないから、稼げるようにした。必要がなくなったら、もっと稼がずにのんびりできる仕事にすればいい。出来れば専業主婦になりたいし、多分妻も認めてくれるだろうが、妻の主婦に求めるレベルが高く、それはそれでプレッシャーが高く少し怖い気もしている。
これは自分を卑下しているのではなく最初に書いておくが、私は仕事が出来る人間ではない。頭の良い人間でもない。やる気も根性もない。容姿が特別整っているわけでもないし、愛嬌がいいわけでもない。ほぼすべてにおいて、普通に紙一枚乗せたくらいの感じが私だ。
因みに、色々仕事をしていると、スーパーマンみたいな人がこれだけいるんだと思う。頭が良くてやる気も根性もあって結果エリート街道を突っ走る、みたいな人は、意外だが結構多い。結構多いが、別にそんな人を目指す必要はない。目指したければ目指せばいいが、そういう人は少なくとも高校生くらいからスタートする必要がある。
少なくとも私はそうではない。そもそも大学が絵画先行と言うだけでも、まともに生きていく意志が感じられない学生だったし、実際まともな就活なぞしておらず、卒業後地元に帰って来てちょうどやっていた市長選選挙の事務局に雇ってもらい、温泉の住み込みなどをしながらグダグダ就活をし、最初正社員先、全国に60店舗位ある企業の小売店に滑り込んだ。
稼ぎは少ないながら、お店のスタッフとして入り、1年半でチーフ、3年で店長、5年で本社、営業畑から一旦離れ商品課、企画課、それから再度営業部に戻りエリアマネージャーと、小さい会社ならではのバタバタ感で色々な事を経験させてもらって10年で辞めた。再度書くが、私がすごい仕事が出来る人間だったのではなく、各課の課長をしていても部下は5人位である。単に私があぁいう事をしたい、こういうことをしたいとわがままを言っていたら、そこに席がたまたまあったという事の連続だったと思う。
辞めたのは仕事内で揉めたのがきっかけではあったが10年という区切りの良さと、これ以上いても待遇が大して良くならないという未来が見えた事、業界全体が伸びないであろう事、この仕事では地元に帰れない事などもあって、すっと消化できたのを覚えている。
本当に色々経験させてもらい、すべての基礎になっている。感謝の会社である。
転職すると決めた時、条件を考えた。最終的に地元に帰る為営業職にする事、稼ぎを上げる事、この二つだ。そして安定して稼げる営業と言えば医療系であろうと、妻に勧めてもらった製薬会社の営業になった。正確には、製薬会社に営業を派遣する会社の派遣される社員だ。面倒な言い方だが、コントラクトMRと当時言った。製薬会社は当然営業を抱えているが、新薬が出るタイミングの何年かは大きくマンパワーが必要となる。そこに投入され、ザックリその領域の知識を詰め込まれ、薬を覚え、医師に駆け寄って行く、そう言う仕事である。
この仕事では医師に薬の説明をする為、とにかく最初勉強が必要で、大分追い詰められたのを覚えている。当たり前だが医師は頭がいい。ので、頭のいい人に納得してもらえる事を考えなければいけない。そう言うと頭のいい人しかなれなさそうに思えるが、製薬会社なんて元々エリートの集まりなのでどう売ればいいかは会社が考えてくれる。新薬の為に臨時で投入される私たちは、その会社の考えるストーリーを、ドラマティックに医師に話すだけでいい。
私は当時既に34歳だったので同期の転職組では最高齢であった。伸びたスキルとしては前述した理由からプレゼン力だろう。未だにプレゼン力があるかと言われると厳しいが、少なくとも人前で話す事に慣れることが出来た。
肝心の稼ぎはと言うと、ポン、と突然上がった。びっくりした。今までの10年なんだったの? と思う程に。その今までの10年ありきで出来た事なのだから無駄ではないのだが、している仕事の大変さに比例して待遇があるのではないと痛感した。
昔、同僚が転職先を探しているという事で話しを聞いていたのだが、彼は年収100万以上上がる仕事は受けない、と言っていた。求められるレベルがそれだけ上がるって事だろう? 俺はもっと自由に生きたい、と。
彼は私よりも頭の回転が速く、風貌もそれなりで、もっと行けると思っていたのだが、もしかしたら、彼のように考えている人は多いのではないだろうかと今思う。
仕事の大変さと待遇は、比例しない。これは断言できる。そりゃある程度はあるが、全く比例なんてしていない。自由にしたって、実際店舗をしていた時の拘束時間と比べたら今の方が自由過ぎる位の時間を手にしているし、年収は1.5倍以上に上がっている(まぁ歳も取っているのだが)。逆に年収を落としても簡単には楽にはならない。待遇が上がれば大変と言う考えで行けば、待遇が悪い人は楽をしている事になる。いや、そういうわけではない。
これは結構簡単で、難しい話なのだが、楽してお金儲け、と言うのは、イメージはあれだが、悪い話ではなく、リアルに目指すべき姿である。
効率化の話になってしまうが、1時間で1,000円稼ぐ仕事をしていたら、その仕事を30分で出来れば30分余る、その30分を更に仕事に充てるか、自由にするか、と言う単純な話で、問題はその効率化が認められる職場かどうか、という事だと思う。自分の考えで効率化が出来ない職場は待遇が上がらないと私は考えている。
話しを戻して、大変さと待遇が比例しないなら、何がメジャーになるだろう、と考えると、私は準備、と答える。準備と待遇は確実に相関する。
10年何だったんだ、と思ったことを書いたが、それが次の仕事への準備であったと考えると納得がいく。多くの人が頑張っている、いい大学に入るのも、語学を学ぶのも、準備である。素晴らしい準備だ。
準備をしたものが勝つ! とか書くとそれっぽい。準備するのが大変なのだから、やはり待遇良くするのは大変、と思うかも知れないが、準備と言うのをもっと拡大解釈して欲しい。何が準備になっているかは分かりやすいものではない。
お酒好きな人がお酒を飲み続けているのも、後のブローカーに繋がっているかもしれないし、妄想が好きな人の空を見上げている時間は小説家に繋がっているかもしれない。
結実させる機会を持たなければ準備と言えないが、逆に花を咲かせてしまえばすべて準備だったと言い張れる。勉強して来なかったあなたや私も、して来たけど形にできていないあなたや誰かも、何かはしているのだから、それを準備と割り切って何をしようか考えればいいと思う。桁違いの結果を求めれば桁違いの準備が必要になるし、大変に違いはないが、それはそのレベルの方々のお話で、今はそんな事は言っていない。あくまで年収上げようと思ったらそれだけ大変、好待遇=大変な環境、ではないという事を伝えたくて書いている。
兎に角、今に不足があるのであれば、今を準備期間とするためにも、転職は一つのいい機会であるとお勧めする。
因みに、転職は、稼いだタイミングでするといい。結果を出したから次も結果を出して稼ぐぞ、もいいが、転職するにしても前職の結果が前提となるわけだから、いい結果を出せた時が転職のいいタイミングでもある。
そう考えると、結局まずは今の仕事である程度の結果を出さなくてはいけない、と言うのが前提なのだろう。今の仕事が嫌で嫌で辞めたいというのであればそこでまず結果を出せと言うのも酷かもしれないが、まず辞めて次を探す、はなかなか茨の道である。
でも、辞めなければ次を探す余裕がないのであれば、さっさと辞めていいとも思う。大事なのはまず自分と家族の命である。それをなおざりにしようとする仕事は、もう仕事ではない。
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