ホテルの予約でエラーが起きていたらしく、どうにか取れた旅館に泊まる。以前も
同じようなことがあり、急遽取ったホテルもそうだったが、当たり前の話し、他が取れない時に取れるのだから理由がある。
でも今回面白かったのは、同僚と今晩の宿がやばいかも知らんと話していたらその同僚がグーグルマップで評価を確認してくれて、その評価が4.3と良かったという事。コメントを見たらコスパがいい、という事であったのでそれでもそれなりだろうとは思っていたが、まぁ、紹介する事にする。
取り合えず、仕事を終えての宿入りだった為、遅くなることは分かっていたのだが、21時までしかチェックインできないとの事。受付におばあちゃんが一人しかいなかったから、その後はいなくなるんだろう。因みに領収書をお願いしたら会社名が英語だった為おばあちゃん読めず、自身で領収書の宛名を書くことに。カードは使えず。予約サイトに書いておいてもらわないと、現金そんなに持ち歩いていない。
でも、おばあちゃん「お疲れ様」って迎えてくれたのは嬉しかった。
一番驚いたのは、部屋(当然和室の6畳間)にトイレも手洗いもなかったという事。ドーミーインとかでシャワーしかないよと言うのはあるが、水が出る場所が一つもない部屋は初めてだった(でも水の入っていないポットはあった)。トイレは共同で廊下の突き当り。ステンレスの流しもあった。トイレの中はずっと水が流れている音がする。
部屋に戻って冷蔵庫の上にガムテープと書置きを発見する。曰く、カメムシが出るから自分で取ってくれと。
領収書は簡単なものなのだが、請求書と言うものももらって、中には入湯税とある。
あら、温泉なのねと大浴場に行く。暗く長い、きしむ廊下、ポツンとある電灯の下ぶら下がる手書きの看板。真っ暗な浴場。含鉄泉と言うには透明なお湯なのに、がっつり鉄の匂いがするお湯。じゃりじゃりする浴槽。天然温泉かけ流し、沈んでるのは湯花ですと書かれているが、いや湯花はじゃりじゃりしない。確かにかけ流されているお湯は、はっきりと錆びた鉄パイプからドバドバ出ている。
あのね、シンプルに、怖い。ホラーゲームでの既視感半端ない。
分かるの。昔はこういうのが当たり前だったこと。部屋にある電話も昔あった指で引っ掛けてくるくる回してダイヤルするやつで(久しぶりに見たな)、昔は風呂の配管も錆びてなかった。きっと稼げていた頃は節電とかせずに夜でももっと廊下も明るかっただろうし、お風呂の電気も消していなかったのだろう。コロナでお客さんが来なかった時期が明けてホテルの金額が爆上がりしている今でも素泊まりで5000円台で泊まれるのだから、頑張っているのだろう。
そしておばあちゃんも昔は若かったのだろう。もしかしたら、受付にいるのも一人ではなかったのかも知れない。
設備投資なんてそうそう出来るものではない。。
昨日泊まったのがリッチモンドでビジネスホテルとしては優秀なもので、そこと比べてしまったのもある(リッチモンド、フェイシャルパックまで置いてあった)。確かに色々酷だ。
そもそもここはビジネスホテルではない。
でもね、怖いの…。あの廊下、もう一度は歩きたくないし、正直、トイレ、行きたくない。
がしかし! 今気づいた。状況的に期待していなさ過ぎて気づかなかった。
Wi-Fiがある…。小さく紙にssidとpassが書かれた紙がピン止めされている。
最後にこの旅館のいい点をもう一つ書いておく。それは、タオルだ。浴場にはシャンプーやボディーソープ、石鹼すらないのだが(部屋に旅行用のリンスインシャンプーとボディーソープが一袋ずつ置かれている。つまりせっかくの温泉でも二度は入れない。)そこに一緒にあった消毒済と帯の巻かれたオレンジ色のタオルから、いい匂いがする。そして、ふわふわである。
もう一度書く。見た目はよくないが、いい匂いのふわふわタオルが、この旅館にはある。
追記
朝起きて、共同手洗いで顔を洗い、鏡がないのでトイレで髪を整え、部屋に戻ろうとして気が付きました。
昨晩は暗くて見えていなかった逆の廊下の突き当りに、昨日褒めたタオルが干してありました。除菌済って日光に当てて紫外線除菌、みたいな?
ふわふわになる、いい匂いの柔軟剤、使っているのかな?
さらに追記
帰り、受付におばあちゃんいなかったのだけれど、帰ろうとしたら外のベンチで日向ぼっこしていたらしく、「行ってらっしゃい!」って元気にお見送りしてくれていい感じだった。
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